最近読んだ本の中に興味深い事が書いてありました。
細かく書くと長くなるので、重要な部分だけピックアップすると
社会が豊かになればなるほど精神病疾患が増えるという話です。
これは香港中文大学が行なった研究なのですが、
1966年より後に生まれた中国人は、1937年以前に生まれた中国人に比べて
うつ病の発生率が22.4倍だったという報告があります。
逆に人類学者のエドワード・シェフェリン氏がパプアニューギニアで暮らす2000人のカルリ族に調査を行ったところ
精神的疾患、うつ病に悩む者はゼロだったという報告があります。
これはなぜこのような差があるのか
という事がこの本に書いていたのですが
中国は世界でも近代化のスピードが速いエリアだったため、文明の発達や経済、環境の変化に順応できずに悪影響を受けた事が考えられ
また逆にカルリ族は野生動物の狩りと植物の採集だけで生活する部族で、
そのライフスタイルは200年前の旧石器時代とさほど変わらないらしいのですが
「絶望」を意味する言葉すら存在しないのと、「寝不足」という言葉の定義も存在しなかったみたいです。
そして面白いのが事実上「未来」という概念がほとんどなく、「過去」と「現在」にしか目を向けていないという事でした。
また違う人類学者がこんな結論を導き出していました。
「狩猟採集民はいま現在に神経を集中する。行動をきめるのは目の前の獲物であって、またの機会をまつ、あるいは、長期的な戦略に立って意思決定を下す事はない。
当座の欲求を求める人々と、充足を未来に引き延ばす人々の違いがここにある。当座の充足を求める狩猟採集民の特性は、彼らの時間認識と不可分である。今現在に関心の焦点を捉えると、過去と未来はそこに起きている事象を迂回する。
これを言い換えると、狩猟採集民は全てを現在と捉えることで時間を超越するのである。」
つまり「いまここ」がメインだから、現代人のように数年先を思い描くようなことはないから、未来の感覚が生じないし
ずっと現在の感覚が強いから、遠い未来の不安や心配に悩むこともほとんどないということだと。
ある種の「時間の超越」のようです。
まさに現代の矛盾ですよね。
食事に悩む事はなくなり、蛇口をひねれば清潔な水が飲めて、瞬時に誰とでもコミュニケーションが取れて、衣類も自由に選ぶ事ができる。
のに、発展していっているエリアほど精神病疾患の数は世界レベルで増え続けている。
筆者いわく、進化、環境のミスマッチが関わっているという事です。
モノが溢れ、種類も豊富になり、貧富の差も広がり人と比べる、そして勝手に不安になっていく。
同じ地球に生まれ、同じ人間でも
価値観や環境でほぼ真逆になるというのは、この事だけに限らず、色んな場面でも起きてるでしょうし、これからも増えていくのでしょう。
とても面白かった内容に触れる事ができました。
比べずに今を一生懸命に。
いいですね。
ただ、狩猟採集民に溶け込んだらすぐに自分は生きていけなくなりそうですが、、。
また明日!
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